何も言わずにこれを見て❶

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下品、滑稽、グロテスク。。。

予測不能のイメージのつるべ打ちなこの映像は松本利夫監督作『薔薇の葬列』(1969年)のワンシーンだ。40年以上も前の作品であるのに今見ても色褪せることのない魅力が詰まった作品だ。

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この映像の後半にある倍速のケンカシーンの他にも、作中に多用されるモンタージュなどスタンリー・キューブリック監督作『時計じかけのオレンジ』(1971年)に多大な影響を与えた作品として知られる。

 

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↑このシーンの後半部分は特に!

本作は歌手、俳優、タレントのピーター(池畑慎之介)の初主演作品であり、日本映画で初めてトランスジェンダーにスポットライトを当てた作品である。この映画は男と女、虚構と現実など、二項対立で括られがちな世界の境界線を曖昧にしようとする。作品の中に出演者のインタビュー映像を入れるなど、普通の映画では考えられないような実験的演出が最高に面白い。

詳細は伏せるが最後に主人公がとんでもない行動をする。それはグロテスク極まりないが、二項対立で括ろうとする世界へのせめてもの抵抗としての行為なのだと解釈した。

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おすすめです!!